③2020年2月26日(水)

 1.聖徳太子薨去1400年を好機にした広域連携

 2.播磨科学公園都市における用地の活用と管理

 3.水源の保全

 4.分岐点に立つ教育への自覚

 5.激甚化していく災害への対応

2017年10月2日(月)

 1.都市計画における線引き見直し

 2.西播磨における深刻な医師不足

 3.ナショナル・トレーニングセンターの誘致

 4.めざせノーベル賞!教育プロジェクト

 5.揖龍南北幹線+α:JR網干駅前へ延伸拡充

 6.山根川の河川改修、

         一日千秋の思いで待っている

②2019年2月26日(水)

 1.播磨科学公園都市、

    スプリング8をとりまく価値向上

 2.線引き制度の呪縛からの解放

 3.英語教育の充実

 4.プログラミング教育

 5.優秀な教員の確保

③令和2年(2020年)2月26日(水)

第347回(令和2年2月)定例会一般質問

質問日:2月26日(水)

質問者:松井重樹議員

質問方式:一括方式

 

  1. 聖徳太子薨去1400年を好機にした広域連携について

「日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す。恙なきや」。

聖徳太子が遣隋使小野妹子に託し、隋の第2代皇帝・煬帝(ようだい)へ607年に届けられた国書のこの書き出しは、独立の気概を内外に示すものであり、1262年後の1869年2月2日、福沢諭吉が、のちに慶應義塾医学所校長となる松山棟庵へ宛てた書簡で初めて登場させた「一身独立して、一国独立す」の精神へと通じる、日本一有名な手紙でありましょう。

 聖徳太子、福沢諭吉と並べれば、日本銀行設立以来1958年初めて発行された一万円札の初代、二代目。まして、戦前2回、戦後5回、計7回と最も多く登場の聖徳太子は、いずれも発行当時の最高額券を示し、まさに日本の顔であり、満天下に示す日本の文化的支柱として歩んできました。

蛇足ながら、その役目は、現在の生活保護法である「救護法」施行に、晩年、命を張ったという渋沢栄一へと、2024年バトンパスされます。

ともあれ、そんな絶対的存在感をいまに伝える聖徳太子が薨去されてから、再来年2022年春に1400年を迎えます。

 法隆寺をはじめとして、縁につながる名所旧跡やサントリー美術館など、数多くの施設が記念行事に取り組んでおり、県下においても揖保郡太子町に存する斑鳩寺が、県の助力も受けながら庫裏の修理を行なっています。加古川市の鶴林寺、加西市の一乗寺も、聖徳太子の縁につながる名刹です。

 思えば27年前、日本で初めてのユネスコ世界文化遺産に同時登録されたのは、姫路城と法隆寺でした。

 この日本の顔ともいうべき聖徳太子。ある時期から教科書に「厩戸王」と併記する動きがみられます。これに対し「新しい教科書をつくる会」などが、律令国家形成の出発点となった聖徳太子あればこその、日本を主体とする古代史ストーリーであるなどと批判を湧き上がらせ、あらためて聖徳太子の存在意義が際だって、脚光を浴びています。

 同じ2022年度には、関西広域連合による働きかけなどもあり、いよいよ文化庁が関西へと移転なされ、現京都府警本部に居を構えます。

 関西広域連合が策定した「関西観光・文化振興計画」は、海外から見て魅力ある文化発信力を戦略的にワン・チームとして高めるとしています。はたして、その戦略とは何か。「文化遺産を結ぶ歴史的・文化的ストーリーの発掘等による観光ルートの開発」とうたっています。

 聖徳太子薨去1400年を機に、「日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す。恙なきや」という聖徳太子の気概を文化的ストーリーに高め、関西におけるゆかりの文化資源を観光ルートとして紡いでゆく。まさに、あと149日に迫った東京オリンピック2020のスローガン、「United By Emotion」。一つになれる感動の誕生、そのものではありませんか。

 この地に移転してくる文化庁と歩調をそろえ、関西広域連合が掲げる「アジアの文化観光首都・関西」において、レジェンド聖徳太子に獅子奮迅の働きの場をしつらえる。

 まさに、これは、「ラスト・サムライ」の撮影で姫路の書写山圓教寺にやってきたトム・クルーズの同じく主演作「Mission:Inpossible」ではなく、「Mission:Possible」実現可能なミッションではありませんか。

 広域での観光・文化振興のための観光ルート開発に取り組む絶好の、新たな視点・切り口になり得る。

 そう考え、当局の所見を伺います。

 

2.播磨科学公園都市における用地の活用と管理について

 理化学研究所を頭脳とする大型放射光施設SPring-8を核にした播磨科学公園都市は、

第一にX線自由電子レーザー施設SACLAなどを用いた研究の集積を産業に活かす科学技術、

第二に県立大学播磨理学キャンパスを中心とする人材育成、

第三に県立粒子線医療センターや西播磨総合リハビリテーションセンターなど健やかさへの願い、

第四にJFA(日本サッカー協会)規格のコートサイズを有するサッカー場3面を中心とする心身の躍動、

第五に自然をふところに抱えて自動運転実証実験などに取り組む創意工夫。

そしてこれら科学技術、人材育成、健やかさへの願い、心身の躍動、創意工夫を五感に、ひとと人が、ひとと自然が、ひとと科学が住み交わり、集まり散じつつ、生きている実感に抱かれる、そんな一つの生命体としての拍動を第6感にもつ存在だと、感じています。

さぁ、そこで…

(1)県立西播磨総合リハビリテーションセンター芝生広場の活用について

 谷間を背面に、粒子線医療センター、西播磨総合リハビリテーションセンター、そして光都学園なる児童養護施設の建物群の三面に囲まれ、サッカー場がゆうに一面とれようかという県立西播磨総合リハビリテーションセンター芝生広場は、時折使用されていることも見受けますが、柵に囲まれ、普段は立ち入ることができません。そして、毎度毎度の草刈り管理。

 かつて、私の知友が傍らの特別支援学校長をしていた折りに話してくれた夢が、今も鮮やかによみがえります。

 すなわち、「大空と広い大地のなかで、科学をキーワードに図らずも集うことになった人々が、老いも若きも、病を持った者も青春を爆発させる者も、汗をかき行き交う。生きている、生かされている。それを自分の内に、他者の存在に感じあう。そんな桃源郷であればなぁ、そうなればなぁ」と。

 都市としての完成形を待つまでもなく、その途上にあっても、広大な芝生広場の存在とは別に、当該地は、取り巻く施設の利用者に「元気」を奮い立たせ、「勇気」を醸しだし、「生気」に満ちる絶好のロケーションと成りえます。草刈り管理に委ねるには、あまりにもったいない。

 柵を取り払いましょう。そうして、交流に生かせるような活用を検討いたしましょう。兵庫県なら、出来る。そう信じ思い、所見を伺います。

 

(2)産業用地等の管理について

 ロングパイル人工芝「ハイブリッドターフ」を敷いた目も麗しきフィールドをもち2017年10月28日(土)に開場式を行い、ASハリマアルビオン vs INAC神戸レオネッサの記念試合を皮切りに供用開始した、人気随一のダイセル播磨光都第三サッカー場。

 そのスタンドから、フィールドをはさみ、産業用地C-7区画1.8㏊を下支えする法面に広葉樹の雑木が無造作に立ち並ぶのが見えます。秋から冬へ、その木々から舞い散る落ち葉が、フィールドプレーヤーの足もとを、危うくさせています。

 何事かあってからでは遅いと、指定管理者の西播磨サッカー協会が、先々に気を回し練習前、試合前、毎度毎度ブロアーで吹き飛ばすほか、対処に汗をかいていると伝え聞きます。

 ついては、播磨科学公園都市の賑わいの中心となっているサッカー場で、プレーヤーが安心してパフォーマンスを発揮できるように。また、産業用地への見学をふくめ、応援や観客、あるいは旅人として訪れた人々に風光明媚を保った自然環境を提供するように。そして、科学公園都市随一の賑わいに水を差すことがないように。さらには、産業用地としての訪問者の足が向き、食指が思わず動くよう、適切な管理・整備を願って、所見を伺うこととします。

 

3.水源の保全について

 県土の7割を占める森林は、水を蓄え、水源地としての機能を果たし、県民生活や経済活動に欠かせない貴重な資源です。

 近年、過疎化や高齢化がより顕著な状況を生む山村における林業の低迷から、森林の適正な管理がなされにくくなり、兵庫県は人材育成にと、3年前に森林大学校を宍粟市に開校したのは周知の通りです。

  

 そのような状況の中、外国資本による森林や水源林の買収問題が、近年話題となっています。

 農林水産省による昨年の発表によると、居住地が海外にある外国法人または外国人と思われる者及び国内の外資系企業と思われる者によって取得された土地は、平成18年からの累計で、全国で森林6787㏊、農地14㏊、合計6801㏊に及びます。比較のために例を挙げると、明石市域の面積4942㏊、尼崎市域の面積5072㏊、相生市域の面積9040㏊。このうち兵庫県では、平成30年に米国の法人によって上郡町で140㏊、姫路市で118㏊の森林が買収されました。太陽光発電用地としての買収目的でした。しかし、他道県では利用目的の多くは、「資産保有」、「不明」、「未定」とする森林の買収です。

 国においては安全保障の観点から、地域においては固定資産税の徴収、ある日突然の外国人のみによる集落が出現する租界化などのほか、特に、水源地域の土地取得にともなう過剰取水、水質汚濁による周辺環境が懸念されています。

 以上のような状況のなか、自治体レベルで水資源の保全を目的に、開発行為の有無や面積の多寡にかかわらず、水資源とその周辺地域にからむ土地取引についての事前届け出を義務づけることなどを規定する流れが顕著になっています。

 2011年の北海道ニセコ町における条例制定が発端ですが、県レベルでは、2012年3月制定の「北海道水資源の保全に関する条例」をはじめ、四国の徳島県、九州の宮崎県をふくめ、名称に多少の差異はあっても、現在19道府県を数えます。

 土地取引に関する法令としては、国土利用計画法と森林法がありますが、いずれも土地取得者に対する事後的な届け出制度です。対して、先に述べた水資源保全条例は、契約締結前の届け出を義務づけることが眼目です。その眼目をもって、早期に状況を把握し、不適切な売買を防止しようとするものです。

 兵庫県においては、神戸市の「布引渓流」、豊岡市の「福寿の水」、養父市の「ぶなのしづく」、多可町の「松か井の水」、神河町の「千ヶ峰南山(みなみやま)名水」、宍粟市の「石水山(いしみずやま)の御水(おんみず)」、たつの市の「天祗(あまぎ)神社(じんじゃ)湧水(ゆうすい)」など、なかには霊感あらかたなるといわれる名水も多く、ポリタンクをもって遠方から取水に訪れる風景も珍しくありません。また加古川、揖保川、円山川の一級河川をはじめとする河川からの兵庫県企業庁をはじめとする水道事業、農業用水への導きは、まさに天からの授かり物です。

 この天からの授かり物の源たる森林や水源林等の水源地域の保全に関して、兵庫県としても地域指定を含む独自の条例制定を行うなどの対策が必要と思われますが、いかがでしょうか。

 

4.分岐点に立つ教育への自覚について

 ドキュメンタリー映画「オーバー・ザ・リミット」が再来月4月10日に劇場公開されます。

 2016年のリオ・オリンピック、新体操ロシアのマルガリータ・マムーン選手が金メダルを獲得するまでの道のりを追ったものです。

 優雅なパフォーマンスを見せる二十歳のリタことマルガリータ・マムーン選手。その美しく華やかな表舞台の裏側で、数多くのオリンピック金メダリストを育て上げたイリーナ・ヴィネルコーチや、名選手としてならしたアミーナ・ザリポアコーチとともに、日々さらなる高みを求めて練習に励む姿を、一足早く予告編で見ました。

 スパルタ、パワハラ…観る人によっては、そんな形容詞を用いられるかも知れませんが、私の視点は、原題「オーバー・ザ・リミット」そのもの。「限界を超えて」、その限界の捉え方です。

 才能を伸ばし引き上げる階段、環境、投資。スポーツ、というより一段上のアスリートの世界では、当然のごとく、誰一人疑いません。

 わかりやすく、視点をさげてみましょう。子供が初めて自転車を目の前にし、乗りこなすまでの過程。あるいは縄跳びで二重跳び、交差跳びへの技の挑戦を思い浮かべていただきたい。スポーツであれば、学校現場でも自らの高みを、限界を設けずに、挑戦できる、している、させているではありませんか。

 ひるがえって、学科科目はどうでしょう。100点をとれば、良し。あくまで学年で設けられた与えられた課題が全てであり、リミットです。同学年なら誰にも、同じレベルの教材を提供することが公教育とされています。

 英才教育が、学校教育に必要だといおうとしているわけでありません。

 ただ、横並びを平等だとして、減点法で未達成者をランク付けする方法ではなく、加点法によることが、自らによって目標を見いだし、達成する喜び、ひいては、自分の成長が仲間を助けたり、自分を見守るグループや地域、国の発展とリンクする思考に結びつくのではないか。

 つまり、「才能への素材提供」。

 そう連想されていくのです。

 同学年なら誰にも、同じレベルの教材を提供することを公教育とするかぎり、科学立国としての日本の未来に立ちこめている暗雲のもとにあるのではないか。

 ノーベル賞受賞のニュースに湧きながら、一方で科学の世界における論文数や世界大学ランキングをはじめ、さまざまな分析から示される日本の研究力の低下。科学立国としての足もとに暗雲が立ちこめている警鐘は、教育への警鐘そのものでもあります。

 社会学者エズラ・ヴォーゲルがその著書「Japan as Number One」で日本経済の黄金期を象徴した1979年のころの世界人口は、およそ43億人、現在はおよそ76億人。日本はというと、1979年当時が1億1千万人であり、現在が1億2千万人。さらに30年後の2050年、世界人口は97億人と予想されるに比較し、日本は1億人を下回る9500万人。日本の1億人というマーケットが、先ず、自国の商工業を下支えしてくれた1979年当時と大きく異なり、日本のマーケットの地位が、世界において、低下する一方だというこの背景事実。

 鉱物資源を、世界に依存しなければならない日本にとって、「Japan as Number One」と謳歌された時代以上に、人的資源の開発が必要不可欠だという、事の本質に、事の重大さに、迫っていないし、動いていない。さらに踏み込めば、地域の雇用と定住は、産学官の共同開発によっての充実が鍵であり、中小企業の競争力や技術力を高めるに結びつく、地域の教育から始まるのではないか。

 教育内容を何でも平等にするのではなく、才能への気づき、才能への挑戦、関心を自然に湧かせ生かせる仕掛けが必要だと思うのです。

 100人が一歩ずつ歩を進める、もっともな平等論です。しかしそのためには一人の百歩、一人の花咲かじいさんの存在が一気に裾野を広げ高める。ニュートン、ワット、エジソン、アインシュタイン、ビルゲイツ…。進化進歩の歴史に記されたこの事実を、私たちは直視する必要があるのではないか。

 そこで、数学・理科の自然科学の分野においては、自分が自分であることを自覚するという第2次性徴時期の10歳前後、すなわち小学校5年生進級時に、高等学校卒業レベルまでの教科書を一冊にまとめ全員に提供してはどうでしょうか。

 もちろん、学校においては、学年時期に合わせた文科省に定められたレベルを教え試験するとして、興味を持つ子供たちの知識欲には際限をもたさないようにすることで、公平な教育の提供を保ちます。

 お兄ちゃん、お姉ちゃん、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんがいれば、背伸びすることでわずかにでものぞけた年齢を超えた知識を、少子化、核家族のいま、子供の目の前に提供する。このことに、意義があるようにも思えます。

 引き出しにではなく、目の前に提供され並べられた書棚に手を伸ばし、インスピレーションを働かせ自学自習の途に興味を抱く。そんな人材の誕生への投資、それが必要な分岐点にさしかかっているのでは、ありますまいか。

そして、それを異端児、のけ者にする教育ではなく、自分にはない能力を「すごいねぇ」と素直に認め称えあう教育。そこにこそ、目指すべき教育の姿があるのではないか。そう、思うに至るのです。

 トライやる・ウィークで、自分で考え生きる力の育みを子供たちに期待できた兵庫県です。

 知識への高みを自ら拓いてゆく取り組みを、子供たちに託してみる。いかがでしょうか、所見を伺います。

 

5.激甚化していく災害への対応について

(1)浸水想定区域及び土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設における避難確保計画の作成等への支援について

 平成29年6月19日に水防法と土砂災害防止法が改正され、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設のうち、市町地域防災計画に定められた施設管理者等に対して、避難確保計画の作成、避難訓練の実施が義務づけられました。

 しかし、平成31年3月31日現在の県下における作成状況は、水防法によるもの2,572施設に対し作成は624施設と、わずか24%。土砂災害防止法によるもの786施設に対しては、21%にすぎない166施設にとどまっています。

 これは、ルーチンワークをこなしながらの時間的余裕のなさもさることながら、専門知識をもたぬことによる戸惑いや尻込みされていることがうかがえるのではありますまいか。これら計画の作成や訓練の実施に際しての出前講座や、人的派遣、補助金等が施設現場では望まれていると、聞きます。

 よって、県下の要配慮者利用施設における取組を促進するため、管理者等によるこの計画の作成や訓練の実施に対して、県として積極的に支援すべきと考えますが、ご所見を伺います。

 

(2)災害ボランティア活動への支援について

 昨年、兵庫県が全国に先駆けて設けたボランティア助成制度は、素晴らしいタイムリーヒットでした。

 残るは、人材運用・出動の大きな潜在力の宝庫として組織された災害ボランティアグループの活動維持に対する助成に向ける視点だと、思われます。

 一例を挙げますと、兵庫県砂防ボランティア協会は、さまざまな災害時の支援活動や予防研修等の砂防ボランティア活動に取り組まれています。その道に長けた県職員OBがボランティアとして参加している事実は、大きく喧伝されてはいません。しかし、この協会が、その積みかさねてきた経験や素養から、いかに貴重で有用なプロフェッショナル戦力であり、心強い存在であることか。

 スクラム組んだ仲間は、1+1=2どころか、3にも4にもなります。しかし、その礎となる連帯・連携など意識を持続向上させていく常日頃の活動あってのことです。

 そうした団体への運営資金を補助することは、会員の精神的肉体的な大きな支えとなり、新たなボランティア活動のインセンティブになるに相違ありますまい。

 そこで、災害ボランティア活動の更なる促進に向けて、各分野の専門的知識を活かしてボランティア活動に取り組む災害ボランティアやその団体運営に対する、さらなる支援について所見を伺います。

 

 今回の質問を貫く私なりのテーマは、

「自信」や「誇り」という意味の言葉、「矜持(きょうじ)」であることを申し上げ、席を移ります。

​②平成31年(2019年) 2月26日(火)

 第343回定例会 一般質問

 質問日  平成31年2月26日(火)

 質問者  松井 重樹 議員

 質問方式 一括方式

 83年前の今日2月26日、帝都東京は真っ白な雪におおわれておりました。

 2.26事件。

 当時、近衛兵だった父は、この事件の鎮圧に三日三晩不眠不休であたりました。

 淡々と、その折りの話しを聞かせてくれた在りし日の父を想いだしながら。

​ 2月26日、忘れることが出来ないこの日に、はからずも、この壇上に立てる偶然に感謝しつつ、

以下5問7項目にわたり、質問いたします。

1 播磨科学公園都市、スプリング8をとりまく価値向上について

 スプリング8の供用開始1997年10月より21年半が経過しました。当時の科学技術庁から初代単身赴任者として派遣されていた先輩に案内され、供用前のビームライン内部を徒歩で一周したのが昨日のようです。

当時に思いを馳せながら、以下3項目お伺いします。

 

(1)スプリング8の価値向上について

 世界に誇る播磨科学公園都市のスプリング8が、「硬X線」と呼ばれる放射光を用いるに対し、エネルギーは低いがより明るく輝く「軟X線」を用いる次世代放射光施設が、東北大学に建設され2023年ごろからの運用が目指されています。

 硬X線は、重元素を感度良く測定でき、物質内部の分析を得意とするに対し、軟X線は、軽元素を感度良く測定でき物質表面の分析が得意なのだといいます。その特長から、新薬の発見や新たな触媒、高分子材料、磁性材料の開発などへの威力が発揮されると期待されています。

 このため、東北大学での新施設は、播磨科学公園都市内のスプリング8と互いに補完する役割を担うとされています。とはいえ、スプリング8の1/10の5メガワットの省エネ運転で、軟X線領域においては100倍の輝度を誇ります。

 新施設が設置される東北大学は、古くは磁性鋼であるKS鋼、新KS鋼の発明者として知られ、1932年に日本人初のノーベル物理学賞候補にあげられた本多光太郎さんが研究を行ったり、近年では長くノーベル賞に近い一人とされ、高周波特性と高耐圧特性に優れた日本発の半導体デバイスとしての静電誘導デバイスの発明、光通信の3要素である半導体レーザーなどの発明者である西澤潤一さんを輩出するなど、標榜する「研究第一主義」が名高い。

 その本多光太郎さんが東北大学に迎えられる前に席をおき最初の画期的発明KS鋼を世に問うたのが、現在Spring-8を運用する理化学研究所であり、理系の三太郎といまに至るも称される土星型原子モデル提唱の長岡半太郎さん、米ぬかが脚気の予防につかえる事を発見した鈴木梅太郎さんも、理化学研究所で、きら星のごとく輝くスーパースターの一員であります。

 

 その航跡に色あせることない歩みを残して来ているSpring-8も、うかうかしていられないぞ。

 これが、私の実感であります。

 今定例会で提案成立された補正予算においても、放射光研究センター(仮称)の高度化整備などを行っていく方向が示されてはいますが、科学の世界に、停滞はありえません。。

 そこで、Spring-8スプリング8の価値を一層向上させるために、今後どのような取り組みを具現化されようとしているか、当局の所見をお伺いします。

 

(2)県立大学と関連機関の連携と理系教育の充実について

 1983年7月15日施行の、いわゆるテクノポリス法によって生まれた26地域において、他と比肩することなく、播磨科学公園都市と、いまにその存在を世に知らしめるのは、ひとえにスプリング8の存在があったればこそ、です。

 先に述べた新たに、次世代放射光施設と銘打たれた研究施設が、東北大学に整備されることを聞くと、科学の進歩へのアプローチにとって、その独占的地位などというのは、一過性に過ぎないことはあらためて思い知らされると同時に、Spring-8が理化学研究所あってのものとはいえ、そこに位置する学究施設としての県立大学に思いがおよびます。

 

 さて神戸大学医学部の前身は、兵庫県立神戸医科大学であります。

 さらに、その母体は兵庫置県と共に建設された神戸病院です。明治、大正、昭和と県政の歩みの中に幾多の変遷、消長を経て、51年前の1968年3月31日に国への移管が完了し、神戸大学医学部となりました。つまり神戸大学医学部の歴史は、この附属病院の歴史でもあり、遠く129年前に始まった兵庫県の歴史の一ページでもあるのです。

 また、現在の神戸大学におけるトピックなニュースといえば、法学部と法科大学院の5年一貫教育で司法試験を受験できる国の新制度「法曹コース」の導入に向け、法科大学院を廃止した新潟大、鹿児島大、熊本大の学生を受け入れる教育連携協定を結んだことです。法曹コースは、文部科学省が2020年度にも全国の大学に設置を認可する予定のもので、法学部3年時までに必要な単位を取得するなどした学生が、早期に卒業して法科大学院の法学既修者コース(2年間)に進めます。文科省は法科大学院がない大学でも、他校と連携すれば法曹コース設置を認める方針で、その狙いは、地方を中心に法科大学院の廃止が相次ぐ中、法曹を志す学生が学べる場を確保することにあります。

 神戸大の法科大学院は司法試験の合格率が高く人気で、今回の協定は、同大学院を廃止した新潟、鹿児島、熊本大にとっても、利点として、法曹志望者を自校の法学部で受け入れやすくなることがあげられます。

 

 さて、兵庫県では、医療機器や航空機に使われる金属新素材研究センターが4月に開設します。県立大学姫路キャンパスにおいては、施設拡充が努められています。播磨科学公園都市におけるSpring-8スプリング8へのテコ入れ整備も、図られています。

 

 ところで、私は理系大学の充実が県内人口を増やすことにつながると、つねづね考えてきました。

 端的にいえば、文系志望生にとっての進学先は「どこの大学で、何を学ぶか」の順で問題になるに比し、理系志望生のそれは「研究したい対象が何で、どこの大学に」の順になっているかのように、私なりのわずかな経験則から感じてきたからであります。

 となれば、兵庫県立大学にとっての大いなる命題は、魅力的な学問を学ぶ場であろうところにいきつきます。

 

 そこで、これまで述べてきたことを踏まえ、ニュースバル放射光施設をもつSpring-8播磨科学公園都市キャンパスをふくめた兵庫県立大学の、とりわけ理系研究部門において、他の学究機関との提携や学部のてこ入れ、あるいは大学院の先端科学大学院大学への発展的解消統合などについての可能性や展望、また、県下における理系教育の充実に向けての方向性を、お伺いします。

 

(3)播磨科学公園都市の魅力向上について

 昨年の決算委員会において、バイオベンチャーが集まる山形県の鶴岡サイエンスパークの取り組み事例を紹介しました。

 いわく、土地の造成などを含む総事業費75億円で、ホテルや子育て支援施設を相次ぎ開業し、世界の研究者が集うサイエンスパークに賑わい施設をつくり、ひいては若手研究者をまちに呼び込もうとしている。先端生命研究所富田所長の「世界的なサイエンスパークになるには、リゾート感やわくわく感が必要」というコメントとともに。

 

 理化学研究所Spring-8の存在をもって創生、成した播磨科学公園都市。

サッカー場やドローンの活用、自動運転の実験、はあくまでも、その魅力向上の一部にすぎません。

Spring-8をともに土壌となるべき感性が、いまこそ望まれているのではありますか。

 

 そのため、例えば、Spring-8播磨科学公園都市の名を活かし、神戸大学付属病院の分院を播磨科学公園都市内に設置し、粒子線医療における先駆的研究の提携など、新たな展開を探り、様々な検討を進めていく必要を、強く感じるのです。

 

 これまで述べてきたように、現在、播磨科学公園都市の土壌を成すSpring-8の魅力を向上させようと様々な部局で、県庁横断的に取組が進められてきています。

 播磨科学公園都市の開発の旗手である企業庁に敬意をはらいつつ、一層の魅力づくりに向け、どのようにイニシアチブを発揮していこうか、その手ぐすねぶりをお伺いします。

2 線引き制度の呪縛からの解放について

 一昨年、「土地政策における県の規制緩和」について一石を投じさせていただきました。

 要は次の通りです。

 兵庫県政150年は、期せずして市街化・市街化調整区域という線引き制度が生まれた都市計画法大改正、つまりは「新都市計画法」50周年にあたる。2000年の規制緩和で、権限は国より都道府県に委譲され、眼目の線引き制度すら廃止可能となった。押しくら饅頭をして陣取り合戦をせねばならないバブル経済に向けての土地政策から、いまや望んでもままならない地域からの人口減少へ対応した土地政策が求められている。つまりは変化に対応した施策が求められていますよと。

 それなりの風が、流れるようになってきたかのようです。

 いわく、地区計画をおたてなさい。さすれば、望みのものに近づけるやもしれませんと。

 しかし、いまいちど咀嚼していただきたいのです。

 

 地域創生は誰のためのものでもない、自己の実現を図るためでしょう。

 地域創生は誰の責任でもない、自己の責任においてなされるものでしょう。

 地域創生は、誰に任せるものでもない、自己の完結によってなされるものでしょう。

 地域創生を、県民の力が湧く叫びに応えられるものに、少しでもちかづけましょう。

 自己責任で自己完結が可能と自ら申し出る自己実現に対する意欲には、その心意気はよし、そうエールを送って差し上げる地域創生にしましょうと。

 

 さて、いま求められているのは何か。

 迅速性です。

 地区計画をたて、3年後の整備を目指しましょう、などという悠長さとは異なる、別次元の提案・規格・要請を、現にあるのです。

 

 先ず希望があり、地域住民もそれを望み、市町もそれに対するインフラ整備を含む責任を持つ。その三拍子以上に、県の忖度を3年以上待っていたのであれば、チャンスは霧散し、他へにげてしまう。それがビジネスチャンスの限界です。

 

 県下の市町では、少しでも地域をよくするために、魅力を向上させるために、お金がないなら知恵を絞って頑張っています。そのような現状を踏まえ、土地計画法について、現場では地域の実情に応じた、血の通った運用をお願いしたい。

 これまでも都市計画法は弾力的な運用に努められていると承知していますが、地域自らが考え、実りある地域創生を実現するためにも、地域の実情に応じたより弾力的な制度運用が必要と考えますが、当局のご所見をお伺いします。

 

 

3 英語教育の充実について

 

 川崎市が、全国に先駆け、聴覚障害者や耳の不自由な高齢者が議会審議を傍聴しやすいよう、AI(人工知能)で議場での発言を瞬時に文字化し、傍聴席に設けたモニターに表示する取組を始めました。

 40インチのモニターを11万円で購入し、傍聴席を3席撤去し設置、変換作業の委託費は年間42万円と伝え聞きます。変換ミスの修正を重ね、時間を追うごとに、精度が増すものと期待されていると聞きます。

 

 言語の翻訳においても、単体機器のみならず、スマートフォンにおいてさえ、ソフトの進化は著しいものがあります。

 これらの状況から、翻訳機等の技術発展により、英語が話せなくとも、英語圏外国人とのコミュニケーションが成り立つようになるかもしれない近未来において、果たして英語教育はどのように予想されるでしょうか。

 

 大学入試に英語外部検定試験が新たに導入されることへの対応に、県立高校の全ての英語教員を対象に外部検定試験を活用した研修を行なう方策などが、図られています。

 

 翻訳機能で言語コミュニケーションがAI化される研究成果が世に問うべく研究を傾注するべきか、英語で議論が交わせるようになるのが早いか、悩ましくて仕方ありません。

 AIがより発達すれば、英語教育は不要となるのか。

 AIなどの先端技術は、感情を腹の内をさぐる感情などにも及ぶのだろうか。

 

 そうは言っても、言語として、自らと異なる文化を知るに必要であれ、不必要になることはないのではあるまいか。

 数学者であり現在姫路文学館館長である藤原正彦さんの著作「祖国とは国語」をまたずしても、兵庫県立大学理事長で現在日本経済新聞「私の履歴書」今月連載中の五百旗頭 真さんの「日本は衰退するのか」を待たずしても、英語教育で話すべき内容を国語で身についておきつつ、かなたも此方も、その文化や歴史まで教育していく必要があるのはないか。

 そのためには、今後、高等学校において日本人と異なる文化背景を持ったネイティブの外国人外国語指導助手(ALT)の大幅な増員を思い切って図るなど、コミュニケーションと異文化理解を重視した実践的な英語教育を行っていく必要があるのではないかと考えます。

 そこで、今後の英語教育の方針について当局の所見をお伺いします。 

 

 

4 プログラミング教育について

 プログラミング教育について、お伺いいたします。

 コンピュータの世界では、電子回路におけるオン/オフやプラス/マイナスといった2極で構成されることから、それぞれを「0」と「1」に置き換える数値表記で情報が書かれます。つまり、コンピュータをプログラミングする言語は、「0」と「1」からなる二進法で成り立っています。

 40数年前、社会において、まだまだコンピュータが一般的でなかったとき、航空自衛隊の防空システム構築の職に当たっていた友人からきいた「うんちく」が、いまだに耳を離れません。それは、「プログラミングは、知識を習得すれば誰でも出来る。しかし、0から1、スタートから結論に、コンマ0秒の瞬時にたどり着けるプログラミング構築ができる者がいれば、1時間の後にようやくたどり着けるようなプログラミングしか出来ない者もいる。すなわち、それほど思考の深さが技量にあらわれるのだと」いうことです。つまり、プログラミングには論理的思考力が必要なのです。

 現在、IoTやAI等、ICTの急速な発達が加速度的に進展しており、今後、社会のあり方そのものが劇的に変化する超スマート社会の到来が予測されています。こうしたことも背景に、2020年度から小学校において「プログラミング教育」が必修化されます。

 小学校のプログラミング教育は、子供たちの情報活用能力を育成し、各教科の中で、各教科の目標を達成しながら、プログラミング的思考を身につけさせるのが狙いとされています。

 今月18日、文科省、経産省、総務省が発表したところによれば、小学校のプログラミング教育普及に向け、今年9月を「未来の学び プログラミング教育推進月間(略称:みらプロ)」に設定し、トヨタ自動車、グーグル、NTTドコモ、積水ハウスなど17社・団体と連携し、希望する学校に①企業訪問や講師派遣による「スペシャル授業」や、②企業が作成する動画配信による「教材提供」を行うこととされ、「スペシャル授業」の希望は3月15日まで、「教材提供」の希望は4月15日までの応募を受け付けるといいます。

 教える側と教わる側が、年齢や、教諭と児童という置かれた立場とは逆転することが十分に考えられる現場からすれば、こうした官民連携による取組みは救いの手のように映ります。

 そこで、この「みらプロ」への応募、他方面からのアプローチの有無、そして現場教諭の知識養成・対応等、それらのシステムプログラミングをどのように構築、構成、実施なさろうとしているか、お伺いします。

 

 

5 産休代行教員の補充補強について

 過日、西播磨地域夢会議ワークショップにおける結果発表の場に、参加させていただきました。

 今回のワークショップは、①歴史遺産の保存・活用から観光事業への展開、②未来へ向けた人づくり、③地域の良さ活用。この3つのテーマそれぞれに応募した高校生48名、一般生33名に、核として夢会議2年間任期の18歳以上からなるビジョン委員31名。あわせた112名のうち、会長をのぞく111名が、13グループにわかれ、それぞれに意見を交わし合ったのです。

 

 このうち、「②未来へ向けた人づくり」を選んだのは4グループで、「近い未来、もしくは遠い未来に、友達と自分が先生になったとしたら」どんな情景が見えるだろうかという発表でした。発表を担ったのは、いずれも高校生。

その発表に、わいてきたのが二つの疑問でした。

「学校の先生」という職業を無意識に想定していること、そして、にもかかわらず、「生徒によりそってあげたい」という趣旨に対してでした。

 

「教えるというのは、職業としてだけでなく、父親として、母親として、友として、先輩として、地域の仲間として」さまざまな立場があるだろうに、それへの想像はわかなかったのでろうか。そして、「学校の先生」というのなら教科担任、つまり何を教えるかという発想が欠落していることに、驚いたのです。

 あとになって、その場の参加者であった友人の一人に聞いてみると、彼自身がワークショップの間に、そんな感情がわいてきて発言したのだけれど、多勢に無勢、発表は高校生たちに任せたといいます。

小説「宮本武蔵」を代表作にする作家吉川英治氏の「われ以外みなわが師」という言葉も、「何を教えるか」という教える究極の命題にも、思い及ばぬ現在の高校生。いかに、教え教わることの難しさであることか。

 

 一方、知事が今定例会の冒頭「提出議案の提案説明」で触れられたように、また千葉県野田市における「しつけ」と逮捕後もいってのける父親が犯した10歳女児死亡事件の報におののき戦慄するように、家庭の教育力の低下が懸念されて仕方がありません。

 

 このような情勢のなか、教諭を職業として選択した者たちにとって、預かりし生徒たちとともに、我が子を育児する環境が、本当に整っているのであろうかと心配になってきました。思い返すと、小学校、中学校、高等学校、いずれの学校現場においても、産休代行教員の補充に、苦慮しているという声を、いくつも聞いておりました。

 補助員の手配は、校長自らが先頭に立っており、補充員として働いていただけそうな方に連絡を取り、場合によっては、その相手方のもとに足を運び、何回も交渉を重ねるとお聞きしています。

 それだけの苦労を重ねても、なかなかすぐには見つからないのが実情だといいます。

 年度初めなれば、なおさらです。祝福すべき同僚の妊娠の報に接しながら、補充教員の手配に大きく息を整えなければならないなんて、あまりにつらいじゃないですか。

 児童・生徒に対し、ただ傍らで寄り添うだけでなく、学問的な好奇心や探究心を育んでやらねばならない就業場所としての学校現場で働く教諭について、応分な補助、保護が成されるように願うばかりです。

そこで、産休代行教員の補充補強に苦慮せねばならないという現場の声に、現状の認識と、その対応をお伺いします。

①平成29年(2017年) 10月02日(金)

平成29年9月 第337回 兵庫県議会定例会 一般質問

質問日:10月2日(金) 

質問者:松井重樹議員

質問方式:一括方式

 

 私は、今日の兵庫県が何をしてくれるかを問いに来たのではありません。

 明日の兵庫県のために何ができるかを問いに来ました。勇気、判断力、信念、献身、その四つに自らを懸け、明日の兵庫県のためになら、必要とあらば、仲間に対しても立ち向かえるかどうか、一人の兵庫県民として、今日の兵庫県に問いかけにやってきました。よろしくお願いします。


 問1 都市計画における線引きの見直しについて
 兵庫県政150周年の平成30年は、図らずも新都市計画法と呼ばれる都市計画法大改正の50周年でもある。この都市計画法における、いわゆる線引き制度は、都市が無秩序に拡大するのを防ぐことを目的に、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分し、市街化調整区域において、一般市民の住宅建設などを厳しく制限するものであります。
 平成12年、小泉内閣時代に規制緩和がなされ、権限は国から都道府県へ、そして線引き廃止も可能になりました。都市計画制度は、端的に言えば、押しくらまんじゅうをして陣取り合戦をせねばならない状況下でこそ必要な規制であります。ところが、バブル経済の崩壊を経て低成長時代となり、今や人がどんどん少なくなろうかという現状、主要都市圏を除けば、開発圧力は大幅に低下しております。


 知事は、今定例会での前田ともき議員の産業活性化に向けた規制緩和についての質問に対し、個別企業から相談の多い農業振興地域や、市街化調整区域における工場拡張においては、農政環境部とまちづくり部に担当参事を設置して相談調整を行うこととしたと答弁されました。
 私にはぴんとくるものがありました。既にして、その行使をされたという案件を耳にしていたからであります。
 当面する課題を解決するにふさわしい政策手段、トップダウンで実行されたすばらしい配慮だったと拍手を送っている一人であります。しかし、このような配慮を待たねばならない制度は、しょせん規制というたなごころで、民の心をもてあそばせ、悩ませ、苦しませるものではないでしょうか。農業振興のため、多額の税金が投入され整備された地域に農地転用を認めることは、覆水盆に返らずのはずであった税金投入の判断をひっくり返すことにもなり、それ相応の英断も必要でありましょう。
 しかし、耕作放棄地が増加するなど、土地利用状況が変化している中、さきに述べたような、小泉規制緩和がなされ、線引きも廃止も可能になっているにもかかわらず、規制を前提にし続けるのは、権力の忖度を図るものだと感じざるを得ません。


 自分の土地でありながら、自分の自由にならない、自由にはできない、市街化調整区域の農地に対する規制は、その地に住む人たち、とりわけその現実に抗しようもない大人たちの無力を見て育つ子供たちの精神に、少なからず影を落としているはずだと、そのことにも、考えを及ぼしていただきたい。
 どんな作物であれ、ごつごつ、粒々した種から育ちます。土にまかれ、太陽を浴び、だれに命令されることもなく育つ。持って生まれたその生命力に育てる者の愛情、人間の愛情が注がれ育つ、誰かに命令されたわけでも、誰に強制されることもなく、ただ自らの生命力と育てる人間の愛情によってのみ育つ。
 ところが、古来よりその土地の、その実りへの権力者は汗と涙と愛情を注いだ者の自由にはできずに来た。そんな閉塞感に満ちた状況下で育つことがどんな意味を持つか。その土地に対する子供たちの心が無意識に離反していくのは無理からぬことではないか。
 耕作放棄地が増加する元凶の一因にもなっているに違いない、そうとまで思ってしまいます。
 農地保護を金科玉条のごとく唱える一方で、一部だが、目端を利かせて太陽光発電施設を農地に設置した者が、農業生産よりもはるかに高額な売電収入を得ている現状を見たとき、農業に多少とも従事している者として、電力使用者として負担を強いられている側からすれば、心穏やかではいられません。私のよく知る地域では、都市計画法が施行された今から50年前、河川の本流接続近くでアシが生え、開発困難と思われるところを、あえて準工業地域にし、JRの駅に近く、県道沿線地域で、いつでも開発可能と目されるところを調整区にされました。おいしいものより苦手なものをさきに手につける仕掛けを選ばれたわけです。

 変化に対応しての見直しが可能と熟慮された上での先人の知恵だったに違いないと、その深慮に思い及びます。
 事実、準工業地域では、区画整理を経て、住宅真っ盛り、その間にも、おいしい、おいしい便利な調整区域には幾つもの公的機関が建設されました。
 ところが、50軒の農地所有者に対しては、今も50年目の縛りを解かれずにいます。市街化調整区域のまま据え置かれているのです。
 合併して、新たな区域になった市の職員が、えっ、市街化調整区域やったん、こんな便利なところで田んぼを続けるなんて、えらい奇特な人がようけおってやなと思うとった、そう上から下まで驚いたと聞きます。


 都市計画法大改正50周年を機に、50年前の都市計画を、この紋所が見えぬかと、大上段にかざすのはもうやめようじゃありませんか。
 地方創生は誰のためのものでもない、自己の実現を図るためでしょう。地方創生は誰の責任でもない、自己の責任においてなされるものでしょう。地方創生は、誰に任せるものでもない、自己の完結によってなされるものでしょう。地方創生は、地域創生は県民の力湧く叫びに応えられるものでなくてどうしますか。自己責任で自己完結が可能と自ら申し出る自己実現に対する意欲に、その心意気はよし、そうエールを送って差し上げる地方創生でなくてどうしますか。
 市場や個人の活力や意欲をそぐことなく、事業の拡大に新しい仕事に、地方への移住・定住、促進する環境づくりに、これまでの都市計画を根本から見直し、長年の呪縛から解き放たれるよう望み、今後の都市計画における線引き見直しについてご所見を伺います。


 問2 西播磨圏域における医師の養成・確保について
 西播磨におけるDMAT、災害拠点病院でもある赤穂市民病院では、産科診療・分娩が先月より休止の状態になっております。原因は、医師の欠員であります。


 さて、構想から大きく足を踏み出し始めた姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院を統合する新病院は、先進医療への貢献を含めた質の高い診療・教育・研究を行い、将来の活躍が期待される医師・医療従事者が集まるリーディングホスピタルを目指すと標榜しておられる。
 将来の活躍が期待されるとは、どの程度の技量、位置にある医師・医療従事者を指しているのでしょうか。また、中・西播磨圏域の医師修学資金制度や臨床研修システムの構築を図っていくともうたっておられる。これは、西播磨圏域における医師の供給・養成機関の必要性を踏まえてのことだと察します。

 事実、平成26年厚生労働省調査による、人口10万人当たり医療施設従事医師数は、全国平均233.6人に対し、本県は232.1人。このうち最多が神戸圏域298.3人、次いで阪神南圏域265.3人、逆に、ワーストスリーが阪神北圏域179.5人、ワーストツーが丹波圏域175.1人、ワーストワンが西播磨圏域153.1人。ベストワンの半分、51%、平均の66%。ワーストツーを20人以上も下回る断トツのワーストワン、それが西播磨圏域の医療の現状であります。
 ちなみに、中・西播磨圏域というふうに合わせて語られることが多い中播磨圏域は、ベストフォーの198.6人。


 ならば、その養成を我が手でとは、なぜならないのか。

 その教育機関を我が手でとは、なぜならないのか。

 良い医師を我が手で生み出すとはなぜならないのか。

 良い医師とは、第1に診断・治療での良い腕、第2に患者さんに優しく丁寧に接し、病む人の心が分かる情感、第3に同僚の医師やナースなど、コ・メディカルの人々と良い人間関係を持ち、チーム医療が行える能力、良い医師が集まってくれば、病院は自然と栄える。

 だから、病院事業の責任者や病院長の最も重要な仕事は、全国から良い医師を集めてくることだ。

 そこには、激しいトレーニングと競争環境を経験するアメリカにいる人材にも目をつける必要さえある。

 これは8年前に亡くなられた病院事業団として名高い武弘道さんに直接伺った思い出話です。


 1964年に県立神戸医科大学は神戸大学医学部への移管が開始され、1968年3月に移管が完了しました。移管完了から来年で50年。この50年を節目に、医師の養成・確保を自前でなし遂げる、自給・自足・自活への挑戦を新たにできないものか。

 西播磨地域には、最先端医療の粒子線医療センター、心身の回復を図るリハビリテーションセンター、そして県立大学理学部があります。

 県立大学理学部大学院の生命理学研究科は、いわば生命、命を科学して、バイオ技術や原子・分子及び細胞レベルで研究し、物理学的手法で解明しようというもの。内外から高い評価を得ています。

 科学として、生命、命を追求する人材と、自然摂理としての人間の命、生命を授かり預かる人材を、同じ地で遭遇させるインパクト、そう思い、あえて触れてみました。

 

 医師数が格段に少ない西播磨圏域に、そしてこれら最先端の医療関係施設が集結する県立大学播磨理学キャンパスに医学部を新設できないか、正直なところ、そう熱望するのですが、今日のところは提案にとどめておきます。ついては、西播磨圏域における医師の養成・確保についてご所見をお伺いいたします。

 


 問3 ナショナルトレーニングセンター関西館の誘致について
 2008年、日本初のトップレベル競技者用トレーニング施設として、東京都北区にナショナルトレーニングセンターが整備されました。兵庫県出身で重量挙げの八木かなえ選手をはじめ、多くのオリンピアン、パラリンピアンなどJOC及びJOC加盟競技団体に所属する選手・スタッフが専用で利用し、今や、トップアスリートのメッカになっていることで有名であります。
 

 一方、4年後の2021年、生涯スポーツのオリンピックと言われるワールドマスターズゲームズ2021関西が開幕します。本県においても、県立武道館でのテコンドーをはじめ、卓球、水泳、バスケットボールなど、13種目の競技で、熱戦が繰り広げられまする。こうした県内でのスポーツ振興の盛り上がりを、本県の地政学上から持つ魅力に併せ見たとき、私は先に触れたナショナルトレーニングセンターの関西館を誘致してはどうかと夢見てしまいます。
 

 例えば、国立国会図書館は、その言葉どおり国の機関であり、国会の立法行為を補佐することを第一の目的として設立されております。その関西館が1994年、けいはんな学研都市と呼称されることの多い関西文化学術研究都市に整備された経緯があります。これにより、同地にある奈良先端科学技術大学院大学と相まって、けいはんな学研都市の存在感を大きなものにしています。
 

 我が県には、県立武道館をはじめとする連携可能なスポーツ施設が整備されているとともに、現センターが位置する東京都北区では得られないロケーション、つまりは、さまざまな幸に恵まれた海があり、河川があり、豊かな自然の中での交通至便さを併せ持っています。誘致先として六甲山のある神戸に、海の幸豊かな淡路島に、山の幸豊かな丹波篠山の丘陵に、あるいは全天候型サッカー場や障害者スポーツ優先施設のふれあいスポーツ館を展開する播磨科学公園都市にと、思うだけで心が躍るのは私だけでしょうか。
 

 誘致が実現すれば、観光資源としても、アスリートファーストの取組を内外に、有形無形で知らせる効果は計り知れないと思われます。
 ついては、スポーツ立県ひょうごを目指す本県に、ナショナルトレーニングセンターの関西館を誘致しようとする機運を盛り上げていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。


 問4 世界的な大学進学を目指す教育プロジェクトについて
 手元に届いたばかりの第2期ひょうご教育創造プラン取組状況に目を通しました。

 それぞれの現場での奮闘努力に敬意を表しつつ、何か、画竜点睛を欠くような感覚にとらわれました。

 オリンピックでの血沸き肉躍る興奮、2013年4月に10秒01で100メートルを駆け抜けた桐生祥秀選手の出現から、にわかに層が増し、ついに先日、10秒の壁を破った陸上競技のスプリント。中学生棋士、藤井聡太4段の出現による将棋ブーム。つまり、下地を作る大切さと同時に、飛び抜けたスターの出現、存在が、活気づかせ、一気に底辺を広げる絶大な効果があります。そのことです。


 教育の世界においても、東大、京大など国内での進学実績を競う受験現場に、小さい、小さい、何言うてまんねん、殻を一挙に突き破らせ、世界へと目を向けさせる動機立てが必要なのではないでしょうか。

 ただ、結果が明らかにさらされるスポーツとは異なり、人間が持つやっかみという、厄介な情念に言い及んでおかねばなりません。

 しかし、それを克服するところに、教育の真髄があります。そして何より教育で大事なのは、自分より優れた相手の存在を認めること。すごいな、大したもんだ、やるじゃないか。そうやって相手の存在を認め、拍手を送れる。教育が目指す心は、そこにあるのではないでしょうか。

 

 数多く存在する世界大学ランキングの中で、最も権威があるとされているタイムズ・ハイアー・エデュケーション、略してTHEが本年9月5日に発表した世界のベストセブンは、オックスフォード、ケンブリッジ、カリフォルニア工科大学、スタンフォード、マサチューセッツ工科大学、ハーバード、プリンストン。日本の大学では、ようやく46位に東京大学、74位に京都大学が顔を出しました。天然資源が乏しい我が国おいて、今も昔も、四季豊かに囲まれ、海に囲まれ、育まれてきた私たち日本人が持つ人間力を基盤とする自らの科学力・技術力によって、国際競争力を高め今日の繁栄と生活を築いてきました。


 私たち自身が次の世代に託し、残すべきは、その科学力・技術力への取組・好奇心ではないでしょうか。

 この私たちの姿勢を形で表すにはどうすれば良いか。

 日本にいながら、世界を視野に入れる。さきに述べた世界的評価の高い大学への進学や、将来、世界的な研究機関での活躍を志す、その高校生、心意気をこそ養うことではないでしょうか。

 ノーベル賞の発表が今週から始まるそうです。

 目指せノーベル賞です。

 そのための教育プロジェクトを設けることで、バトンパスをする私たちの心意気を示せるのではないか、そう考えてのことでございます。ご所見をお伺いします。


 

 問5 揖龍南北幹線道路の整備拡充について
 この質問は、兵庫の名物市長と言われた今は亡き西田たつの市長と交わした会話が出発点です。
 平成の大合併の一つ、たつの市誕生に二つの鍵。一つが、市名を平仮名表記のたつの、もう一つが揖龍南北幹線、これが問題です。


 人の流れも物流も、今や東西。それが明白であるにもかかわらず、なぜ今さら南北の幹線が必要なのか。

 これには、三つの願いが込められている。

 一つ、淡路島に似て南北に長い、たつの市を貫く柱。

 二つ、たつの市の北に接する森林王国宍粟市の中国自動車道山崎インターチェンジから揖保川沿いに一路一機果敢に南下し、山陽自動車道龍野インターチェンジを経て、国道2号を通り、JR山陽本線をまたぎ、瀬戸内海に至り、海と山の交流・融合を図る。

 三つ目、ベンツ車のエンブレムマークのごとく、一級河川揖保川と林田川の合流点付近のたつの市萩原・真砂をマークの中心に見立てれば3枚の羽根が伸びます、一枚は森林王国宍粟へ、一枚が揖保川を渡り、市場地先のトンネルを抜け、瀬戸内海国立公園の新舞子浜へ一直線、そして東へ延びる残る1枚、太子町の沖代線から、さらに東に分岐させ、姫路市のJR網干駅南へと向かわせれば、ベンツエンブレムが四つ葉のクローバーに化けます。

 幸せを呼ぶという、その四つ葉のクローバーが一つのプロペラとなって舞うがごとく地域一帯の魅力を舞い上がらせます。つまり、単なる広域幹線道路の域をはるかに超え、その波及効果は西播磨から中播磨地域にまで及び、地域創生を席巻する役割を担うことになります。


 今や、国道2号から南部分については、県と合併特例債を用いたたつの市で、役割分担しながら進めてきたものが、JR山陽本線を超える跨線橋をシンボルに、構造物が目に見えて立ち上がり、完成間近を予感させています。

 この上は、太子町に向かう3枚目のプロペラを、太子町を貫いてそのまま東へ延ばし、四つ葉のクローバーになるよう、姫路市で県道太子御津線への接続を目指す。拡充を急ぎましょう。このことが、ひいては揖龍南北幹線道路の整備効果を飛躍的に向上させるものと確信しております。


 一方、揖龍南北幹線道路のたつの市新宮町から北部分は、まだ課題が残る区間であります。

 特に、たつの市と宍粟市の市境付近は、道路が山と揖保川に挟まれた狭い空間を縫うように通っており、大きくカーブしている。トンネル構想がある部分ですね。この周辺では、県道26号線宍粟新宮線への落石のみならず、道路からやや離れた農水路がしばしば崩れて埋まると聞いております。平成28年1月にも道路への落石が発生しました。
 このように、住民が危険を感じている状況を踏まえ、対策の必要性を受け止めていただき、トンネル化を含め、社会基盤整備プログラムへの位置づけをと、早急な対応を願うものであります。

 

 ついては、揖龍南北幹線道路の整備状況と、たつの市と宍粟市の市境付近のトンネル構想の見込み、併せて、揖龍南北幹線道路の事業効果を飛躍的に高める東への道路整備について、ご所見をお伺いします。


 問6 山根川の河川改修について
 本年7月の九州北部豪雨では、短時間で記録的な雨量を観測、総雨量は500ミリを超える大雨で、甚大な被害が発生しました。

 本県でも、先月9月17日、台風18号に伴う降雨により、神戸地方気象台では、たつの市付近に記録的短時間大雨情報を発表しました。1時間当たり74ミリの集中豪雨が、県龍野庁舎の観測所で観測された。JR姫新線の本竜野駅の東側を流れる山根川付近に居住している住民から、これまでも、大雨のたびに浸水・冠水に脅かされていると聞いておりました。

 そして今回、台風18号に伴う降雨時、やはりというか、またしても山根川沿いの道路が冠水しました。山根川の河川改修工事は、林田川合流点から上流にかけての1.8キロであります。下流から順次改修工事を進めてもらっております。事業着手は昭和55年。以来37年、いまだ完成を見ておりません。未改修区間では事業の完成を一日千秋の思いで待っている住民がおります。

 山根川の現在の整備状況と、今後の取組について、ご所見をお伺いします。


 以上、答弁内容に胸膨らませつつ、質問席に移らせていただきます。