「僕は生涯そば打ちでいたい」
そば屋 翁 高橋邦弘 著 (株)文藝春秋 2002年11月10日第1刷
気付けば…、二日続けて同じ店で蕎麦を手繰っていました…。
大盛りに新ショウガの炊き込みご飯、蕎麦豆腐…、翌日は酢橘そば大に…わさび醤油漬け、そば豆腐揚げだし、しめにもりを追加…。
いずれの日もしばし待つ間、この蕎麦屋ご亭主師匠の高橋邦弘さん著書「僕は生涯そば打ちでいたい」師匠添え書きが裏表紙に記された河出書房新社発行の単行本を…昨日も今日も…手繰っていました。
私の書棚にあるのは…
今はない広島県豊平町長笹「達磨・雪花山房」を訪ね、
もり蕎麦を5枚食べてきた折に帳場で買い求めた文春文庫版。
サラリーマン生活10年を経て栃木県は宇都宮での手打ちそば修行、3年のち1975年12月28日東京は目白で「翁」独立開店、1986年4月23日山梨「翁」開店、2002年1月広島の地で「達磨」開店。
単行本発行1998年12月以降の、著者の歩みを、新しく加筆訂正されたものです。
夜帰宅して手にとり寝床で読み返してみました。
初夏の日差しを木陰に求め、眼下からの、ちょうど田植えが終わった水面の照り返しと瞬きしあいながら、受付を済ませ順番を待っているあのときの点描が思い出されてきました。
作り手の一生懸命を一生懸命受けとめる嬉しさ楽しさ自然に背筋が伸びる、あの心地よさ。
時折の深呼吸が新呼吸になり、寝息になっていったのは言うまでもありません。
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